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馬見古墳群(中央群)を歩く

 2012年7月15日橿原考古学研究所有史会主催の7月例会「馬見古墳群(中央群)を歩く」が橿原考古学研究所の坂 靖氏の案内で実施された。35度近くの猛暑の炎天下での古墳巡りで、年配者も多く救護体制やエスケープルートが不明で心配だったが、何とか最後まで約9kmを歩き通した。余りにも暑かったので昼食後エスケープしバスに乗ろうと広い道路まで出たがバス停の場所が分からず、やむを得ず引き返し再度合流した。コースは下記の通り。

 近鉄池部駅―>河合町文化財展示室―>馬見二の谷遺跡―>池上古墳―>真美丘陵公園館―>乙女山古墓―>カタビ古墳群―>別所下古墳―>佐味田石塚古墳―>ナガレ山古墳―>ダダオシ古墳―>竹取公園―>イノワ古墳群―>三吉石塚古墳―>新木山古墳―>巣山古墳―>三吉二号墳―>佐味田狐塚古墳―>倉塚古墳―>一本松古墳―>文代山古墳―>シドマ古墳―>近鉄箸尾駅

1.近鉄池部駅 

集合場所の近鉄池部駅は無人駅で箱に切符を投入した。

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2.河合町文化財展示室

 河合町教育委員会が調査した佐味田宝塚古墳やナガレヤマ古墳から出土した遺物が所狭しと置いてあり、接近して見ることができた。ナガレ山北3号墳出土の鰭付円筒埴輪は、一段に多数の三角形や四角形の穴がある馬見古墳群で最も古い段階の埴輪で、近くでみることができた。

 また、案内人から昨年の中国陝西歴史博物館での「日本考古展」に出品された餃子の形をした土製品やアケビ、サヤエンドウなどの食物の土製品についての紹介があった。これらの土製品は埋葬施設から出土したもので珍しいものであるそうだが、果たして中国での評判はどうだったかは分らない。

 さらに、佐味田宝塚古墳から出土した有名な家屋文鏡(レプリカか写真)も展示されていた。この家屋文鏡に描かれた建物は神仙界の建物であり鳳凰が屋根上に描かれていると解釈される(奈良民報連載「古代大和の新世界を歩く 8」小笠原好彦氏 2012年執筆)。

 なお、今回大勢での見学のため館内での写真撮影が全員禁止されたので、写真を何も示せないのが残念である(写真をHPに掲載している方もいるようであるが・・・)。

 河合町文化財展示室は展示物が豊かであったので、もう一度ゆっくり見学したいと思った。

<写真>河合町中央公民館3Fに展示室

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3.馬見二の谷遺跡

 後期旧石器時代の周縁部加工尖頭器など6500点の出土があった。

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4.馬見丘陵公園

写真4 馬見丘陵公園地図
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 馬見丘陵公園は色々な種類の古墳を含む広大な敷地を持ち、北エリア、中央エリア、南エリアに分れる。

5.池上古墳

 池上古墳は馬見丘陵公園の北エリアにある墳丘長92mと屈指の規模もつ帆立貝式古墳であり、築造は五世紀前半である。発掘調査により墳丘一段目埴輪列や葺石、周濠と馬蹄形にめぐる外堤の規模や外形が分っている。案内人から前方部が規制を受けて極端に短くなっているとの見解を聞いた。

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写真 池上古墳(前方部)
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6.馬見丘陵公園館

馬見丘陵公園館には巣山古墳の模型がある。また乙女山古墳の遺物が展示されていた。玄関は新山古墳出土の直弧文鏡をモチーフにしているとのこと。ここで、昼食をとったが、ともかく暑かった。

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7. 佐味田石塚古墳

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8. ナガレ山古墳

奈良県北葛城郡河合町佐味田字別所下・ナガレに所在するナガレ山古墳は、墳丘全長105m、後円部直径64mの前方後円墳で、築造時期は5世紀初頭である。ナガレ山古墳の東側は築造当初のように埴輪が並べられ葺き石が施されている。埴輪675本の内、市民が粘土から手作りで181本を作ったそうである。西側は芝生を張りそのまま保存されている。

<写真:前方部から後円部を撮影>
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<後円部墳丘から前方部を撮影>
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<古墳の配置説明板1>
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<古墳の配置説明板2>
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9. 三吉石塚古墳

奈良県北葛城郡広陵町大字三吉字石塚に所在する三吉石塚古墳は、新木山古墳(全長200m)の西側に築かれた東向きの古墳で全長45m、後円部径41.4m、前方部長さ7mの県下最大の帆立貝式古墳である。築造時期は5世紀後半とみなされている。古墳は復元され埴輪が並べられ葺石が施されている。墳丘から見ると前方部が圧縮されており、帆立貝式の形状がよく分る。

<写真:三吉石塚古墳説明板>
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<写真:墳丘を撮影>
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10. 新木山古墳

新木山古墳は宮内庁管轄の(陵墓参考地)古墳で、墳丘長が200mあり、馬見古墳群中央群の中核をなす古墳である。2010年に宮内庁が発掘調査を行った所、墳丘埴輪列が検出され形象埴輪に襟付短甲形があり5世紀中頃の築造年代が推定される。

<写真:墳丘から新木山古墳を撮影>
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11. 巣山古墳

<写真:巣山古墳>
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 今回、巣山古墳には立入らず遠方から眺めたので島状遺構など見ることができなかった。本ブログ馬見古墳の記事中の写真参照のこと。

 巣山古墳は馬見丘陵中央部の東麓に平行して北向きに築造された全長220mの古墳である。墳丘は三段に築造され、くびれ部には両側に造出しが付いている。墳丘の周囲には幅の広い周濠がめぐっている。
 1927年の上田三平氏の報告書には、後円部には2基の南北方向の石室があり、西側の石室は割石で造られ天井石が4枚残り、東側の石室は3枚の天井石が残っていると記されている。

 明治3年の盗掘で多くの遺物が見つかっている。鍬形石4個以上、車輪石3個、石釧1個、滑石製大勾玉1個、滑石製勾玉35個、管玉63個、棗玉3個、滑石製刀子11個などが出土している。これらのうち、鍬形石の一つには帯状の多数の凸帯に縦に細かく刻みを加飾したものが1個ある。また、滑石製大勾玉1個の飾りがある副葬品から巣山古墳は五世紀前半に築造されたものとみなされる。(奈良民報「古代大和の新世界を歩く 15」小笠原好彦氏、2012年)。

 この古墳は2000年から四次にわたって広陵町教育委員会が発掘調査を実施し、墳丘の全長、葺石の状態、2つの前方部隅を確認する発掘が行われた。この調査で、西側前方部中央部の近くから、予期しない出島状の遺構が出土した。出島状遺構の上面には全体に白石が敷き詰められ、家形埴輪(7個)や蓋(きぬがさ)形埴輪(7個)、盾形埴輪(4個)、柵形埴輪(10個)、囲形埴輪、さらに3匹の水鳥形埴輪が出土した。出島遺構は亡くなった首長層が住む神仙界、すなわち中国の神仙思想の影響を強く受けた日本の首長層が思い描いた蓬莱山を表現したものであると考えられる。

 
 案内人は巣山古墳は、大王墓であると考える和田 萃氏の説を支持すると説明されたが、その理由は述べられなかった。一方、馬見古墳群の最古期の新山古墳が前方後方墳であることや、古事記、日本書記、延喜式などに倭王権とのつながりを示す被葬者がここに埋葬された記事が全くないことから、葛城氏一族および武内宿弥と擬制的な同族関係をもつ氏族の首長墳がここに集中して築造したという説も有力である。



12. 倉塚古墳
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13. 一本松古墳
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14. 近鉄箸尾駅
 
 炎天下の中、最後の古墳から駅までのアプローチが非常に遠かった。案内人には途中最後尾が到着するまで説明を待って頂くなど暑い中多大な配慮をして頂き感謝したい。

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テーマ : 歴史
ジャンル : 学問・文化・芸術

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