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矢田丘陵の寺々 その1 松尾寺

 2018年9月2日に、西山厚先生同行のバスツアーで矢田丘陵の寺々を訪ねました。矢田丘陵は奈良盆地の西側に生駒市から斑鳩町まで南北に連なる高さ300メートル前後の峰々から成る丘陵で、奈良県立自然公園となっており、ハイキング道が整備されています。 この丘陵の中腹から麓に北から霊山寺、東明寺、矢田寺、松尾寺、法隆寺があります。

松尾寺は寺伝によれば、718年(養老2年)、天武天皇の皇子の舎人親王(とねりしんのう)(676~735)が、日本書紀の完成と、自身の42歳の厄除を祈願して建立されました。松尾寺は日本最古の厄除霊場として知られております。

舎人親王は2月の初午(はつうま)の日に、松尾山にこもり祈願をしていたおり、厄除けのご本尊千手千眼観音が降臨されました。
降臨された場所は、南門より300メートル離れた位置にあり、「舎人親王伏し拝み伝承の地」の掲示板が建っています。

法隆寺から松尾寺南門までの道(約2km、18町)には1丁ごとに丁石が建てられています。

法隆寺東院縁起には舎人親王の発願で、僧永業が金堂を建立したとあり、創建当時は法隆寺の別院で、法相宗であったとも伝えられていますが、中世から江戸時代にかけては、興福寺一乗院の末寺になっています。また、明治初期までは、修験道の拠点となっていたことから、修験道関係の史料や仏像が多数残っています。

本堂(1337年(建武4)再建、重要文化財)
 間口5間、奥行5間の5間四方、一重、入母屋造りである。内部は格子で内外陣を区分し、内陣には木造須弥壇及び厨子を置き、厄除のご本尊、千手千眼観音立像(室町初期、檜の寄木造り、県指定文化財)を祀る。像は頭部に十一面化仏を戴き、本体部に42手、光背部に小さい千手千眼手が配置してあります。この日は厨子は閉ざされ、 毎年、11月3日に本尊秘仏が御開扉されます。
 本堂裏手に、珍しい舎人親王像(江戸時代)が開帳されており、拝観しました。また、本堂裏手の天井裏で発見された、焼損千手観音像(奈良時代)いわゆるトルソー(白洲正子がそう呼んだ)は、宝蔵殿で拝観できました。

行者堂
 行者堂の役行者像は御開帳されており、なかなか魅力的な像でした。頭巾をかぶり、高下駄を履き、岩座に腰かける像で、総高は1.8mにおよぶ大きな像でした。杉材の木目が粗い材の寄木造りです。下方左右に前鬼、後鬼が独特の風貌で控えていました。また、役行者の母公が向かって左におられました。母公を大事にする役行者の孝行を表しています。

 なお、江戸時代に全国的に活躍した円空作の役行者像が宝蔵殿で展示されており、拝観しました。像高30.4cmの笑みをたたえた役行者像は珍しく、丁寧な彫は、円空仏では珍しいのかも知れません。一見の価値があります。

七福神堂
 堂内に七福神が祀られています。重要文化財の大黒天は弘法大師の作と伝えられ、眉をひそめた怒りの表情をしており、修行の姿をしている大黒天は珍しいとのことです。なかなか魅力的な像で何か魅せられる姿をしていました。山岳修験のお寺にふさわしい大黒天像だと思いました。


松尾寺山門(北門)
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霊泉
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柴燈大法要(9月2日)
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修験者
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本堂前で護摩法要
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護摩の煙
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修験者が集結
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行者堂
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七福神堂
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煙る三重塔
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松尾神社へ(奈良時代の松尾寺遺跡)
 奈良時代には観音堂があった場所だそうで、発掘によって遺物が出土している場所です。現在は神社となっています。
奈良平野の眺望が抜群です。

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松尾神社石段
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鳥居
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拝殿
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奈良盆地一望
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舎人親王伏し拝みの道へ

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松尾寺境内絵図
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南門
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宝蔵殿
  南門出てすぐの場所に宝蔵殿があります。南門から法隆寺まで山道が開けています。
秋の寺宝公開が行われています。寺宝では注目すべき仏像が色々あります。中でも衝撃的なのは焼損千手観音像残闕でし た。


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焼損仏像残闕
 昭和28年、本堂解体修理中に、本堂裏側の廊下の天井裏から菰包みの状態で発見された、両足両手を焼失した旧本尊の残闕と推定される仏像です。白洲正子はトルソーと表現しましたが、これは仏像の残闕で、魂が入った均斉のとれたとても魅力的な仏像です。



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