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考古学からみた古事記

 2012年7月21日に田原本町第2回万葉歴史講座において、辰巳和弘氏による「考古学から見た古事記―琴と夢の語り―」と題する講演が行われた。講演は家形埴輪と琴をひく人物の埴輪という考古学上の遺物と古事記、日本書紀、万葉集の記事とを対照させた大変面白いお話だった。

1. 家形埴輪と古事記

 大阪府八尾市美園古墳(7.2m四方の方墳、5世紀)の周濠から26~28個の壺形埴輪と2個の家形埴輪が出土した。これらの埴輪は方墳上にあったものであり2個の家形埴輪の周囲を壺形埴輪で取り囲んでいたものと推定される。1つの家形埴輪は、入母屋造高床式の2階建の建物で、中にベッドが置いてあり、部屋の内部は朱色に塗られていた痕跡がある。外側の4面の中央には盾が線刻されている。内部のベッドは床より3.5cm程高くなっており、これは「神牀」(かむとこ)であり、夢で神のお告げを聞く施設であると想像される。
 古事記崇神紀の記事中に疫病の話があり、「神牀」(かむとこ)で、夢に神が現れお告げを聞いた意富多多泥古(おおたた ねこ)に関する話が載っている。出土した家形埴輪にあるベッドはこのような話しに出てくる「神牀」にあたるものと考える。何か困ったときには、夢に出てくる神のお告げによって解決するという話が古事記や日本書紀によく出てくる。

2.琴をひく人物埴輪と古事記

 は弥生時代および古墳時代の遺跡から良くでてくる。これまで50例以上出土している。群馬県前橋市出土の琴をひく人物像は、下げ角髪(みずら)を結っており、 腰から下の足を両脚表現しているので高貴な男性像であり、琴を膝の上に載せて演奏している。古代は男性が琴をひいていた。古事記仲哀天皇紀には天皇が琴をひく話が出てくる。また、日本書記允恭天皇紀に天皇が琴をひき、皇后が起って舞う記事がある。神を呼びよせるため琴をひく話も出てくる。また、万葉集巻第七に大伴旅人の倭琴を詠む歌がある。

<写真: 辰巳和弘先生は元同志社大学教授です。>
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