役行者生誕地から天川・洞川へ その2

  奈良県吉野郡天川村の川合集落から、普通であればトンネルを抜けていくのですが、先の台風21号による土砂崩れで道が埋まったため通れず、旧道のくねくねした山道を上り、虻(あぶ)峠を越えて、標高800mの盆地状の集落の洞川(どろがわ)に入りました。 この日は気温0度で雪がちらつき、身体を刺すような寒さでした。山上ケ岳の峰々には雪が積もっていました。 私にとって洞川は馴染みの場所で、以前は大峰山系への登山の基地として利用し、山上ヶ岳や稲村ケ岳など大峰山系の山々へ登り、温泉に浸かって疲れをほぐして帰ったものです。
 
 大峰山龍泉寺(りゅうせんじ)は、真言宗修験(当山派)総本山醍醐寺の大本山であり、大峰山寺の護持院でもあります。 白鳳年間に大峰山の開山役行者が大峯山で修業中に洞川に下山して、岩場の中から滾々と水が湧き出る泉を発見し、その畔に八大龍王を祀ったのが、龍泉寺の始まりと伝えられています。 その後、理源大師聖宝(832~909年:京都醍醐寺開山)が中興したと伝えられています。 龍の口より湧き出る清水によって満たされた池は水行場としても名高く、修行者の身心を清める第一の行場となっています。

昭和21年の洞川の大火で境内の建物は殆ど焼失しましたが、昭和35年に伽藍の復興がなされ、同年女人禁制が解かれました。それまでは、龍泉寺境内は大峯山内道場として女人禁制でした。 今回一行は龍泉寺本堂で、女人も男子も大勢参加して護摩を焚いた祈祷を受けました。

洞川紅葉
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龍泉寺前
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龍泉寺
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本堂
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祈祷中
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寺務所(朱印所)
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神聖殿
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八大龍王堂
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同上拡大
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八大龍王額
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天井龍図
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龍の口
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水行場
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霊木
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瀧行場
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不動明王
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鏡池
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山上ケ岳
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役行者生誕地から天川・洞川へ その1

 2017年11月19日、役行者(えんのぎょうじゃ)の生誕地から天川・洞川まで、西山厚先生の解説付きで巡ってきました。今回は、御所市茅原にある本山修験宗の総本山、茅原(ちはら)山金剛寿院吉祥草寺について報告します。

 吉祥草寺は修験道の創始者役小角の生誕地で、役小角の創建と伝えられ、境内には、役行者の腰掛け石や産湯の井戸が残っています。約4000平方メートルの広い境内に、本堂、行者堂、観音堂、鐘楼、熊野神社、筆塚などがあります。

 毎年1月14日夜に境内で茅原のトンド(国無形民俗文化財)が行われ雌雄一対の大松明に火をかけて、化粧縄の燃え落ちるのを競う祭です。

吉祥草寺山門(御所市茅原)
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縁起説明板
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本堂と護摩焚き場
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観音堂
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写経道場
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役行者腰掛け石
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役行者産湯の井
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春日神社
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鐘楼
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熊野神社
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筆塚
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白竜大神
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吉祥草寺縁起(消えかかっている説明板)
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山門と金剛力士像
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伊能忠敬の斑鳩・竜田測量の足跡

11月12日に奈良ファン倶楽部主催、奈良大学土平博教授の指導の下、「伊能忠敬への挑戦!-斑鳩の里瀧田で測量比べー」に参加しました。JR王寺駅集合で、王寺から斑鳩三塔まで伊能忠敬が測量した経路をたどりながら、途中定められた区間で計測を行いました。
 伊能忠敬が大和で計測を行っていることは全然知りませんでしたが、計測の様子を伊能忠敬日記に残しています。

伊能忠敬の第6次測量(四国・大和路)での「大和路測量」は文化5(1808)年11月28日~12月23日まで行われました。11月

28日: 伊能忠敬は大阪河内国高安郡神立村を出立して、河内と大和の国境の十三峠を越えて、平群の富貴畑村、富貴村、越木塚村、若井村、西宮村、椿井村、竜田村を測量し、その日は、本陣松屋孫三郎に宿をとりました。夜は晴天で星を観測しました。

29日: 竜田村を出て信貴山を往復し、勢野村、南畑村、立野村竜田大明神、華表前迄測量しました。この村に大和川支配、安村喜衛門ありと記されています。この日は王寺村で止宿しています。この村に達磨寺あり。孝霊天皇陵ありと記るされています。

30日(晦日): 王寺村を出て當麻寺に参詣。當麻寺の草創、伽藍について詳しく書かれている。

12月朔日:当麻寺を出て王寺村に戻る。王寺村から、神南村、稲葉車瀬、小吉田村、竜田村まで測量する。中食後、同署より、法隆寺村新町(又、並松という)迄測量し、印杭を残して、法隆寺門前まで測量し、九ツ頃法隆寺村へ着。止宿百姓平右衛門それより法隆寺へ越し、諸堂拝覧、霊宝一見。此の夜晴天測量。

12月2日:晴天。朝六ッ半頃、法隆寺出立。同村字新町、昨日の残印より初(法隆寺村持の東福寺村あり。人家なし。薬師寺一宇、聖徳太子の駒塚有。)松平甲斐守領幸前村に至る。此所より妙見山法輪寺へ立寄、本堂十一面観音、宗旨真言古義なり。
本堂の後に妙見の社あり。額に日本最初北辰妙見尊星王とあり。本堂の額は法輪寺前中納言総長江の筆。三重塔は薬師如来、此辺を三井村という。それより岡本法起寺へ寄、此寺真言律本高観音、三重塔あり。それより又、幸前村より同国添下郡片桐主善正在所小泉村迄測量、四ッ頃着。

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今回、我が測量隊12月朔日、2日の行程を測量しました。全員の計測方法は歩幅×歩数で、どの程度実際の距離と合っているか、後で比べました。かなり正確に距離が出た人もいれば、そうでない人もおり、まちまちでした。しかし、自分の歩幅を決めて歩く練習をすればかなり正確に距離を測れるのではないかと思いました。私にとっては今回歩いた経路は日頃から斑鳩三塔めぐりや斑鳩~王寺のウォーキングルートでよく知っている経路だったので、伊能忠敬は江戸時代このルートで歩いたのかと納得しました。 当時の道が斑鳩にはそのまま今も残っており興味深い測量体験でした。なお、スタッフは巻き尺や、道路を転がして距離を計測する道具でも計測していました。

 GPSを使えば現在では一瞬で計測できますが、それは、符号理論に基く、ノイズ除去やその他の衛星が計測した複雑なデータの計算を、優秀な技術者がコンピュータプログラムとして残したからであって、一朝一夕でできるわけがありません。地震などの災害時などにはガラパゴスの計算が役に立ちますので、自分の足で距離を計測することも重要なのではないかと思いました。

JR王寺駅集合 御用旗の下
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大和川(王寺町) 台風21号の水かさが分るごみが残っています。
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大和川堤から孫七瓦看板を左に90度折れて竜田方面へ向かう
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登れば式内社神岳神社
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道標 左たつた
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竜田川 塩田橋
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竜田川はこの前方で大和川へ合流
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稲葉車瀬環濠集落の掘
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ぽっくり吉田寺(きちでんじ)
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竜田神社
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法隆寺門前
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幸前へ向かって測量
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溜池 わらで作った馬2頭
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法起寺山門
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コスモス咲く法起寺
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纒向遺跡第193次調査現地説明会

 桜井市教育委員会は2017年11月11日10時から纒向遺跡第193次調査現地説明会を開催しました。纒向での現地説明会は久しぶりの参加でしたが、旧纒向小学校跡のこの地に立つと、東には三輪山、巻向山、穴師山を望み、南には箸墓古墳をまじかに控え、北には纒向石塚、矢塚、勝山、東田の纒向型前方後円墳を望み、この平地部に3世紀前半から全国から人々が集まって都を構築し、交流をおこなったことを、想像すると何かしら郷愁を覚えないわけには参りません。

旧纒向小学校跡地は昭和54年から62年に渡る発掘調査で、前方後方墳メクリ1号墳が出土し、また祭祀土坑や掘立柱建物が出土し、平成25年にようやく、纒向遺跡が国の史跡に指定されました。 これに伴いこの地に休憩用の便宜施設やガイダンス施設を設置するため、桜井市が現地調査を行いました。

調査区は1区(ガイダンス施設建設予定地)と2・3区(メクリ1号墳東側周濠)からなります。
1区では、方形周溝墓4、5,6が出土しました。方形周溝墓4からは庄内形甕が出土し、溝の埋没時期は3世紀前半~中頃と考えられます。方形周溝墓5からは布留式期(3後半以降)の土器が見つかっています。方形周溝墓6からは庄内式前期の土器がみつかっており、3世紀前半に埋没したと考えられます。

2区・3区はメクリ古墳1号墳の東側周溝墓があったと想定される場所ですが遺構の残存状況が悪く、周濠の存在は未定です。

 庄内式土器を発掘した女性の方が、自分が発掘した現場で、出土時の土器の写真をかかげ、私がここを発掘しましたと述べられたのは大変印象的でした。発掘調査はこのような無名のパートの女性の方々によって担われれていることを知り感動しました。

現地説明会場(右側が旧纒向小学校跡、道路進行方向にJR纒向駅)
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会場(左に便宜施設、テント内に遺物、説明板) 
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調査区説明板
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調査区全体拡大図
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調査区1全体(左中央部に方形周溝墓4、右に方形周溝墓5)
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調査区2・3

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出土土器

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箸墓古墳
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法隆寺 慈恩会

 法隆寺における慈恩会は、毎年11月13日午後1時30分から、大講堂で行われる伝統行事です。 玄奘三蔵の弟子で法相宗の高祖慈恩大師の追悼法会で、昭和57年11月13日から再興されました。 

この行事は951年に興福寺の僧空晴大徳によって始められ、それ以来法相宗を研鑽する寺院で盛んに行われました。法隆寺でも1216年に大講堂で始められ、幕末まで続いていましたが、明治の廃仏稀釈で中断されました。

法隆寺は明治6年から真言宗の所轄となりましたが、明治15年に法相宗への独立を果たし、明治29年から慈恩会が再開されましたが、昭和25年に聖徳宗となったため、行事がまた中断されました。 しかし、慈恩大師の1300年御忌を迎えた昭和57年から再開し、今日まで行事が厳修されています。

 行事に先立って大講堂正面には結界の綱が張られ、正面扉以外は閉扉され、法会の間は大講堂への参拝はできません。ただし、講堂内で法会に参列することはできました。講堂正面には慈恩大師の大幅の像が掲げられ法要が行われました。法会に先立ち、普段は鳴らない西院伽藍の鐘楼の鐘が撞かれました。なお、法要には中宮寺の尼僧も参加されていました。

法隆寺本坊唐門から出発
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大講堂
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大講堂前結界
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西院伽藍鐘楼(国宝、平安時代)
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僧侶の入堂
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僧侶の入堂
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大講堂へ入る
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大講堂内で法要
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法要中の掲示
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東回廊は美しい
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紅葉の季節
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慈恩会の季節
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